くしもと大橋と巡航船・フェリー大島航路




 くしもと大橋
平成11年9月8日、念願のくしもと大橋が開通いたしました。
以下は大島架橋事業の概要と、開通までの模様をご紹介します。

〈大島架橋事業の概要〉
民謡「串本節」で知られる大島は、本州最南端の地、串本町の東南約1.8qの沖合に位置し、東西約8q、南北約2.5q、周囲約26qで、人口約2,000人を 有する和歌山県唯一の離島振興対策実施地域です。

島内には、ウバメガシ、シイ、ツバキなどが生い茂り、海岸線には断崖絶壁となって海に落ち込み、特に、海金剛の「魔女の髪梳き岩」、明治3年に点灯された我が国最古の石造りの「樫野崎灯台」、寛政3年(1791年)アメリカ商船の樫野海岸への寄港を記念した「日米修交記念館」、「トルコ軍艦エルトゥールル号遭難碑」等々、歴史的にも優れた観光資源を持つ地域です。

県ではこれまで、島の人々が健全で明るい生活を営むことができるよう離島振興対策を実施してきましたが、未だ本土との格差を是正するまでには至ってなく、年間を通じた温暖な気候、雄大で豊富な自然景観や、歴史的遺産を活用しきれていない現状です。

こうした状況を打破し、「歴史と自然に包まれた観光の島」づくりを目指すため、地元の皆様方の数十年来の夢であった架橋事業に着手することになりました。

この事業には、2ヒンジアーチとしては、我が国2番目の規模となる大島架橋(仮称)が計画されています。

架橋地点が吉野熊野国立公園第2種特別地域に指定された美しい景観日を呈しているため、橋梁形式も自然との調和を尊重し、島影を思わす緩やかな放物線を描くアーチ橋を選定しました。

大島と苗我島の間に架かるアーチ橋の名称を決める橋名審査会が開かれ、 全国から寄せられた応募総数9,166通の中から“くしもと大橋”に決定しました。

事  業  概  要
路線名  県道樫野串本線
区  間  和歌山県東牟婁郡串本町大字大島〜串本町
道路規格  第3種3級
幅  員  車道部 7.5m  歩道部 3.0m (2.5m)
延  長
大島島内土木区間  約 2,340m
海上橋梁区間  約   629m
苗我島島内土木区間    約    87m
苗我島沿岸道路区間  約   172m
既設防波堤区間  約   586m
合計延長             約 3,814m

 串本フェリーと巡航船大島航路
♪ここは串本向かいは大島仲をとりもつ巡航船…

 串本節でも唄われた大島港は、昔から船の避難港として大変栄えました。近年になっては、島の玄関口として、巡航船、フェリーが行き来しました。

 その大島港も、くしもと大橋の開通に伴い、静けさを取り戻し、フェリーと巡航船は、その役目を終わり姿を消してしまいました。

 巡航船は大正元年8月、串本地方初めての機械船が島にやってきました。
その名は乙姫丸と言い、米国製の5馬力電気着火エンジンを備え、3、4トンだったろうか。

 乗客定員8名ぐらいで船代は片道4、5銭だったようで、この白い乙姫丸は、船足も速く20分で串本へ渡ったそうである。
 「巡航船」の名も、この頃登場したのだと言います。


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