景勝 橋杭岩(はしくいいわ) |
串本から大島に向かい、約850mの列を成して大小40余りの岩柱がそそり立っています。その規則的な並び方が橋の杭に似ていることからこの名が付きました。海の浸食により岩の硬い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが立っているように見えるこの奇岩には、その昔、弘法大師と天邪鬼が一晩で橋を架ける賭をして、一夜にして立てたという伝説も伝わっています。吉野熊野国立公園地域にあり、国の名勝天然記念物に指定されています。
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橋杭海水浴場 |
串本町橋杭岩に隣接するビーチで、目の前には紀伊大島、くしもと大橋を観ながら、左には橋杭岩と絶好の景観がそろった綺麗な海水浴場で、シャワー、売店、有料駐車場、ロッカールームも完備
橋杭海水浴場海開き
例年年7月1日〜8月31日 8月最初の日曜日に橋杭海水浴祭り |
橋杭岩ライトアップ |
11月第2金曜〜日曜に掛けて、夜間、橋杭岩をライトアップします。 |
橋杭岩と弘法大師 |
昔、弘法大師が、天の邪鬼と一緒に熊野を旅し、串本を通りがかったときのこと。長い旅路の間に、大師の偉大さにすっかり圧倒されていた天の邪鬼は、何とかして大師を困らせてやろうと考えていたが、やっと名案が浮かんだ。
「お坊さん。離れ島に住んでいる人たちは、海が荒れると陸地に戻れず、それに島には水も不足しているので、大変困っています。ここから島に橋をかけて、島の人たちを助けてあげようではありませんか」ともちかけた。心のやさしい大師は、島の人たちに深く同情、天の邪鬼の提案に賛成した。
さらに、天の邪鬼は「二人で一つの橋をかけるのは面白くない。おたがい、一晩のうちにどんな立派な橋をかけるか、競争してみませんか」といい、大師の方から先に橋をかけることになった。
「どんなに偉いお坊さんでも、まさか一晩のうちに橋をかけられるはずはない。こんどこそ、大師の鼻をあかしてやることができる」。天の邪鬼は、内心ほくそえんだ。 やがて陽が沈んだ。すると大師は、近くの山から大きな岩を引き抜いては肩にかつぎ、つぎつぎ、海に並べはじめた。
驚いたのは天の邪鬼。「これは大変。このままでは、夜明けまでに橋が出来てしまう。何とかして大師の手を止めなければ」。あわてて悪知恵を働かせた。
「そうだ。大師に、もう朝がきたと思わせれぱよいのだ」
そう思いついた天の邪鬼は、すぐニワトリの真似をして「コケコッコー」と大声で叫んだ。
大師はもうあと、材木を架ければ橋ができあがる、というところで、作業を止めなけれぱならなかった……と。 |